地場エネルギー
十和田神社の参拝を無事に終えて、十和田湖の畔に出ました。十和田神社の末社が並ぶ“開運の小径”の入口の前には、溶岩が露出した島・恵比寿大黒島が浮かんでいて、湖の点景になっています。辺りは湖岸が砂浜になっていて、湖水が海のように次々と打ち寄せてきます。そのリズムは海よりも短くて早い。湖水に触れながら、しばしそのリズムに耳を傾けて時間を過ごしました。
束の間の散策を終えた後は、湖畔のお店で昼食。地場のものがあれば、それをいただきたいと思いました。地場ものは、その地域で育まれたエネルギーをいただくことでもあります。その土地の風景を眺め、空気を感じて、地場産の食べ物を口にする、まさに身体全体でエネルギーに触れ尽くすといった感じです。
店頭にある写真付きメニューに、ヒメマスとニジマスの塩焼きは“売り切れ”とありました。まだ開店してそれほど時間が経っていないし、刺身や漬けはあるのに、なぜ塩焼きがないんだろう?と、なんだか気になって店員さんに事情を聞いてみました。
十和田湖で漁をして獲れたヒメマスやニジマスを出しているが、体長の大きいのは塩焼きにすると残してしまうお客さんが多いため、ちょうどいいサイズが獲れないと、提供していないとのこと。
今の時代、何でもあって当たり前と思ってしまいがちですが、自然を相手にしていたら、こういうものだということを、改めて思い知らされました。
癒しの奥入瀬渓流
川が流れる音には癒されます。奥入瀬渓流は、なだらかに流れる箇所はさらさらと静かに、傾斜があったり川幅が岩などで狭められたりしている箇所は白波が立ち、ザァザァと音を立てて流れていきます。
奥入瀬渓流唯一の本流の滝である銚子大滝は見応え十分。滝からまるでマイナスイオンが放たれているかのように、水しぶきがミストとなって風に乗って流れてきます。
渓流に沿って歩道が整備されているので、少しだけ歩いてみました。木立が陽射しを遮り、時折心地よい風も吹いてきます。自然の中を抜けてくる風は、その自然のパワーを乗せているように感じられて、木と水と風に癒やされました。
最後に奥入瀬渓流館・湧水館に立ち寄ると、“奥入瀬こけソフト”と書かれた立て看板が。抹茶を苔むした岩に、チョコを倒木に見立てたというソフトクリームに惹かれてしまい、デザートを食べていなかった!と思い立って、購入して味わいました♪ 特別に甘党というわけではないですが、たまに突如として甘いものに惹かれることがあります。これも旅の想い出ということで(笑)。