どっち向いて寝てますか?
思い込みといえば、先日、立て続けに時間を勘違いしてしまったのですが、ふとその時に、“思い込みを解放しなさい”というメッセージを受け取った感覚がありました。
それで、何か思い込んでいることで、他に手放せるものはないかと考えていたところ、見つかりました!“寝る時の頭の向き”です。ちょうど読み進めていた本で、風水を取り上げていて、北枕は運気が上昇すると述べられていたのです。風水を取り入れている人にとっては、今更な話かもしれませんね。
私には幼少期から“北枕”の観念があって、頭の向きは北方面を極力避けるという意識が働いていました。寝る時の頭の向きを気にしていたのは、親が「北枕は縁起がよくない」と言っていたのが染みついていたからです。
私の住まいは南東向きのワンルームマンションなのですが、部屋の構造上、導線を確保するために、ベッドは南東-北西方向に置いていました。そのために入居以来、寝る時の頭の向きはずっと南東だったのです。
思い込みをひとつ手放せた!
北枕を避けるという習慣は、どうやら日本だけのようで、北枕を避けるという意識こそ、まさに思い込みであると気づかされました。実際に頭で考えるだけでなく、身体で思い込みを外そうということで、早速、その日から南東枕あらため北西枕にして床についてみました。
最初は、頭頂部方面に広がる部屋の見え方に、まるで別の部屋にいるみたいな感じで、めちゃくちゃ違和感を覚えました。でも一方で、この思い込みを外すことで、抑え込まれていた何かひとつの感覚が解放されるような気がして、何だかワクワクした気持ちも同時に湧き上がってきました。
日本で北枕を避ける理由は、亡くなった人の頭を向ける方角のために、死を連想することがあるほかに、昔の家屋は機密性が低くて、寒い北側から隙間風が入り込むと、北枕の場合、頭から身体が冷えてしまうことで、体調を崩すことにもつながる、という理由もあったようです。
私たちの脳は、人体エネルギーの20%を消費するといわれています。省力化のために、思考をパターン化して余計な思考をせずに、なるべくエネルギーの消費を減らそうとするわけですが、思い込みも思考パターン化の一種なのかもしれません。でも、思い込みは時として、私たちの行動を制限してしまうこともあるわけで、極力手放したいです。
アインシュタインは、「常識とは十八歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう」と言っていますが、思い込みはともすると、“自分の中での常識”になっていることもあります。私はこれから、このコレクションを他にも見つけて、手放していくのが楽しみです。