皇居の守り神は、国会議事堂も至近
日枝神社には3つの参道がありますが、近くを地下鉄が3路線走り、最寄りとされる駅は4駅あって、まさに各方面からアクセスできます。今回は最寄り駅の1つである国会議事堂前駅から表参道へ向かいました。駅の構内には、日枝神社の最寄り出口を案内する表示があって、日枝神社参拝目的で利用する人が多いことが窺い知れます。
社殿は国会議事堂裏手の高台に静かに佇んでいて、境内に到着すると、鳥居の上に合唱したような山の形が載った特徴的な山王鳥居が迎えてくれました。鳥居の先は、男坂と呼ばれる階段参道がまっすぐに続いています。長い参道や階段参道は、その先が見えない分、参拝に向けて徐々に気持ちが高ぶっていく感覚を味わえるような気がします。
階段を登り切って神門に到着すると、その奥には拝殿が静かに顔を覗かせています。また、参道の両側には杜が広がっていたのですが、神門まで辿り着くと境内は開けて、周囲にそびえ立っている高層ビルが視界に飛び込んできました。
雨が上がったばかりの境内は落ち着いていて、しっとりとした雰囲気を漂わせていました。参拝者はまばらでしたが、途切れることはありません。
年間行事のお祭りの際は、人が大勢入ると思われる拝殿の中は広く、すっきりしたその空間には、神聖で整った空気が満ちていました。
猿と狐と千本鳥居
日枝神社には猿の像があることが特徴ですが、猿は御祭神の大山咋神(おおやまくいのかみ)の使いとされているようです。拝殿の左には子供を抱いた母親の神猿像が、右には父親の神猿像が安置されています。この神猿像を撫でていく人も多いのだとか。
社殿の右方にある廻廊を横切って外へ出ると、境内社の八坂神社・猿田彦神社・山王稲荷神社が並んでいて、拝殿から参拝できます。山王稲荷神社には、眷属の白狐が沢山奉納されていたのですが、サイズが大小あって、まるで親子のようです。ここの白狐に限りませんが、各地の神社で奉納されている小さな眷属には可愛らしさがあります。
境内西側に位置する稲荷参道には、千本鳥居が階段を覆うようにして連なっています。階段は人がすれ違うことができる程度の幅ですが、なんとも独特の雰囲気が漂っていました。
すべての参拝を終えた後に、境内をゆっくり散策していると、中秋管絃祭の案内を見かけました。中秋の夜に、雅楽や舞が披露されるお祭りです。雅楽の音色は少し前から気になっていましたが、最近、舞にも意識が向くようになりました。いつの日か、雅楽とともに奉納される舞を見てみたいです。