周囲もお社も自然豊か
私は白い色が好きなのですが、白には縁があるのかもしれません。その”白”の字が入った白山比咩神社。8月の上旬にこちらに参拝する閃きがあって、今回、その機会に恵まれました。
標高はそれほど高くないものの、周りは深い緑の山に囲まれていることに加えて、近くを手取川という大きな川が流れていて、自然豊かな佇まいに心が落ち着きます。
表参道は一の鳥居から先が杉などの木立に覆われていて、拝殿まで夏の強い陽射しを遮ってくれています。参道は緩やかな登り坂が続いていますが、途中、小さな琵琶滝があるなど、自然に包まれた中を進んでいくと、清々しい気持ちになってきます。
まだまだ残暑が続く時期でもあり、猛暑日ではなかったものの、よく晴れていたので暑さはそれなりに覚悟していましたが、緑が多いせいでしょうか、暑さをそれほど感じませんでした。木々に囲まれた静かな境内に、ミンミンゼミとツクツクボウシの蝉時雨が降ってきます。
エネルギーに浸る
神門をくぐると、檜の心地よい香りが迎えてくれて、拝殿の前に立つと、清らかで優しく穏やかなエネルギーが奥から伝わってくる気がしました。奥宮は霊峰白山の山頂付近に鎮座されているため、遙拝所から参拝します。
境内社も含めてひと通り参拝を終えたあと、拝殿の正面脇に立ち、檜の香りと拝殿を包むエネルギーにしばし浸っていると、時期が来て訪れるべくして訪れ、参拝させていただいた、そんな感覚に包まれてきました。
境内の一角に、白山の伏流水を流している竹筒があり、両手で水を受け止めて口に含んでみました。水を通じて、白山奥宮とつながるイメージを膨らませます。
表参道は木陰に覆われていますが、北参道に面した広い駐車場から拝殿までは、それほど日除けになるものがないからか、北参道側の手水舎付近にミストシャワーが設置されていました。
参集殿の入口にもミストシャワーが降り注いでいます。休憩所を兼ねた参集殿では写真展が開催されていて、遙拝させていただいた奥宮と霊峰白山の、季節ごとに見せる顔を知ることができました。
白山比咩神社の古宮跡にも行ってみました。一帯は公園になっていて、通り沿いには「旧加賀一の宮駅」の駅舎がそのまま残っています。鶴来駅から加賀一の宮駅までの二駅間が2009年10月末で廃線になったそうで、往時の様子が駅舎の中に写真で展示されていました。金沢方面から電車で白山比咩神社へ参拝に来ることができた時代を偲びつつ、変わり続ける取り巻く環境を、変わらずに見守り続けてくださっている御祭神の菊理媛尊に思いを馳せました。